さくらんぼ ウジ 虫

さくらんぼを水に浸したら中から“うじ虫”が！専門家は「ショウジョウ... ミツバチの代わりにハエを使った受粉をビジネスにする会社がある、岡山県岡山市に本社を置く、株式会社ジャパンマゴットカンパニーだ。 近年のミツバチ不足から、受粉を補う使い方で右肩上がりに売り上げを伸ばしている。 起業から１５年、信念の経営で並々ならぬ苦労をうかがわせる。 同社の事業は、イチゴなどの作物から果実を収穫するには、ハチや鳥などが花から花へ飛び回り受粉を助けることで実がなる。 受粉は欠かせない営みだ。 この受粉にハエを用いる。 特にハウス栽培農家は、主に巣箱を置いてミツバチを飼い受粉を促す。 しかし2009年ごろから世界的にミツバチの数が減少し、値段も高騰した。 原因はいまだ特定されていないようだが、農薬や病原体、害虫、ストレスではないかとも言われており、ミツバチ以外の受粉が模索されてきた。 そこで同社の佐藤卓也社長がミツバチの減少のニュースを知り、元々はヒロズキンバエの幼虫であるウジを医療で活用するビジネスだったことから、ハエを農業に利用できないかと思い立った。 ヒロズキンバエ ウジ虫が組織の腐った部分を食べてくれる それを説明する前に同社の起業のルーツを知る必要がある。 そもそも同社の始まりは、糖尿病による足の壊疽（えそ）・壊死（えし）の治療や、床ずれなどによる重度の褥瘡性潰瘍（じょくそうせいかいよう）の治療、やけどなどによる重度の炎症治療に使われる治療法のマゴットセラピーというヒロズキンバエの幼虫のウジ虫治療からスタートした岡山大学発ベンチャーだ。 マゴットとはウジのことだから会社名を直訳すれば「日本ウジ虫会社」で攻めた会社名が興味をそそる。 その事業を分かりやすく言えば、ウジ虫は組織の腐った部分をエサに成長するので、ハエの幼虫であるウジの食性を利用して壊死組織を除去する治療なのだ。 ザ・フライ（1986年の米国映画）では、遺伝子組み換えを研究している主人公の科学者が実験ミスによって遺伝子レベルでハエと融合しハエ男になり、異常な身体能力を得て肉体が変貌していくホラー映画であり、スポーン（「Spawn」1997年の米国映画）は、人気コミックを原作としたホラーアクション映画で、優秀な破壊工作員だった主人公が友人の裏切りにより焼き殺され、悪魔との取引によって生きた寄生コスチューム「ネクロプラズミック・アーマー」に身を包んだ地獄の尖兵スポーンとして現世に帰還することから始まる。 その死体にはウジ虫がたかりリアルにおぞましさが演出され、ハエやウジを見るたびに思い出されハエとウジは好印象からはほど遠い。 マゴットの洗浄 始まりはウジ虫 同社は、2004年にオーストラリアから空輸したマゴットを使用して岡山大学医学部（心臓血管外科三井秀也医師ら）で、国内初のマゴット治療を実施し成功したことに始まる。 当時、早期退職制度を利用し松下電器産業株式会社（現パナソニック株式会社）を退職していた佐藤社長が、血管が詰まる病気で潰瘍を無菌化したハエの幼虫（ウジ）に食べさせ壊死した部分のみ食べるため健康な組織には影響がない痛みもなく麻酔も不要というこの技術を応用し2005年に起業した。 日本初、医療用無菌マゴットの製造、多くの下肢切断の危機に瀕（ひん）した糖尿病性壊疽患者の足を切断から救う事業の展開だ。 きっかけは三井医師と佐藤社長の奥さんが知り合いだったことで、40才になったら会社を辞めて起業するそんな目標を掲げていたときだ。 そして幸いにも、岡山県産業振興財団が主催した「ベンチャー・ビジネスプランコンテスト」で最優秀賞を受賞し、獲得した賞金500万円を創業資金として利用できた。 大学の技術と資金にも恵まれた事業開始は幸運だった。 しかし、日本発の治療法であることから、世間の認知不足が原因で販売には相当苦労したという。 だが珍しさが後押しし多くのメディアに取り上げられ、徐々に浸透して治療の一つとして採用する病院も増えていった。 だがさらに追い打ちをかけたのが一般的に受けるウジ虫のイメージだった。 糞や死体にたかるウジ虫を想像し、患者は治療を受け入れにくくそれが大きな弊害となった。 実際の治療は、創（きず）の周りを傷から出てくる過剰な液を吸収するデュオアクティブという素材でカバーするし、マゴットが成長しても動けるようにすき間をもたせて、専用ドレッシングを接着する。 脱走を防ぐために、ドレッシングの周りをテープでふさぎ、浸出液を吸収するために紙おむつでカバーする。 従ってウジが見えることはないし、麻酔も不要で、痛みも出血もなく、生きたウジ虫が患部を這う感触もないという。 ただ壊死した患部を食べてくれるのを待つだけで普通の生活が送れる。 治療期間は、潰瘍の状況によって異なるが